額縁の庭
大原の里を久しぶりに歩いてみました。今年は紅葉の色づきが薄いように感じて、ちょっと残念でしたが……。でもやっぱり清閑な雰囲気がいいですね。
三千院の参道の奥の突き当たりに勝林院(大原寺)本堂があります。この本堂こそが天台宗の仏教が栄えた大原の中心的道場で、法要儀式に用いる仏教音楽「声明」の修学地として有名です。
また1186年に天台座主顕真と法然との間で、念仏によって極楽浄土にいけるかどうかの「大原問答」が行われた地でもあります。100日にも及んだという問答で、正論を説くと、本尊の阿弥陀如来が光明を放ったという伝説もあって、こちらの阿弥陀仏は証拠の阿弥陀とも呼ばれています。
宝泉院はその勝林院の僧坊として古く800年前よりあったお寺です。このお寺何といっても通称「額縁の庭園」がいい!柱と柱の空間を額に見たてて観賞するその絵画のような景色が訪れる人を癒しの世界に誘ってくれます。
庭の名前は盤桓園(ばんかん、立ち去りがたい意)と称します。ゆったりと紅葉を愛でながら一時、お抹茶を味わって下さい。
上を見上げると血の顔跡や手形も生々しい血天井が。関ヶ原の合戦前、徳川の忠臣・鳥居元忠以下数百名が豊臣の大軍と戦い伏見城中で自刃しました。その武将達の霊をなぐさめ、自刃した床板を天井にして祀り、供養としています。
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