粽(ちまき)は食べれません

篠田ほつう

2010年07月17日 18:40

 祇園祭のちまきは、食べ物ではありません。通常は、ササの葉をイ草で巻き、束にして作られます。授かったちまきは、家の門口につるしておき、翌年の祇園祭で新しいちまきと取り替えるまでの1年間、厄除け・災難除けとなります。
 八坂神社(かつての祇園社)の祭神・牛頭天王は、一夜の宿を求めた際、裕福な兄の巨旦(こたん)には断られましたが、その弟の貧しい蘇民将来には温かなもてなしを受ました。やがて行疫神となった牛頭天王は巨旦の国を疫病で滅ぼしてしまったのです。しかし、蘇民将来の子孫は疫害から免れると約束し、疫病を防ぐ方法として「茅(ち)の輪」を付けさせたのが始まりと言われます。
 その後「茅(ち)の輪」が変化して「ちまき」になったのではとされています。 このため、粽には必ず「蘇民将来之子孫也」との札が添えられているのです。



 黒主山の厄除けの粽には桜の造花がついていますが、これは昨年、山と一緒に巡行した桜の花だそうです。この桜を玄関に挿すと悪事除け、泥棒除けになると言われています。


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