2008年02月25日
室町通り

かつて平安京の南北に通じる室町小路と呼ばれる道がございました。平安京の衰退とともに忘れ去られようとしていたこの小路が時を経て、今出川に足利幕府・花の御所が置かれて一躍脚光をあびることとなります。室町時代という名称そのものが、室町通という道から派生したのも面白いですね。さてそのころから江戸時代にかけて室町通は、京都の中心街として繁栄することになるのでございます。 織田信長が都の繁栄を誇示するために、宿敵・上杉謙信に送ったとされる戦国期の国宝・洛中洛外図屏風(上杉本)にもその繁栄振りは克明に描かれていて、烏帽子屋、扇屋、風呂屋とさまざまな職業も描かれております。


江戸時代には高級織物の問屋街となり、京都でも最も富裕な大商人の集まる通りとなったのでございます。
祇園祭りで室町四条の交差点は山鉾町の中心になることから「鉾の辻」と呼ばれたりもしますが、北に菊水鉾、南に鶏鉾、東に函谷(かんこ)鉾、西に月鉾が見渡せ、これらの山鉾を維持した町衆たちのその繁栄振りもまたこの通りにうかがえるのでございます。


室町通りには三井越後屋京都本店記念庭園や日本最古の生け花の流派・池坊一門の短期大学などもございます。ちなみに池坊の家元は六角堂頂法寺(京都市中京区)の住職でもあり、その名の由来は、家元の住まいが池の畔にあったことによるのだとか。
Posted by 篠田ほつう at 10:53│Comments(0)
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